投資用物件の売却にかかる費用・節約方法は?

最終更新日 2024年11月17日
costイメージcostイメージスマートフォン用画像

投資物件を売却する場合、必ず費用が発生します。ではどのタイミングでいくら位の費用がかかるのか、売却活動を検討するにあたって非常に気になるポイントになります。

目次
  • 投資用不動産売却に費用がかかるタイミング
  • 不動産売買契約時にかかる費用は?
    • 仲介手数料半金
    • 売買契約書印紙代
  • 売買契約時に売主が支払う費用は?
  • 不動産の引渡し時にかかる費用は?
    • 仲介手数料残金
    • 司法書士報酬などの費用
    • 各領収書の印紙代
  • 不動産の引渡し時に支払う費用は?
  • 投資用不動産売買にかかる費用合計は?節約方法は?
    • 印紙代節約のための電子契約とは?

売買契約時に必要な額は?引渡のタイミングで必要な費用は?など、売却を検討されている方の参考になれば幸いです。

投資用不動産売却に費用がかかるタイミング

投資用に関わらず、不動産を売却する際には費用がかかるタイミングがあります。

  • 不動産売買契約時
  • 不動産引渡し時

不動産売買契約時にかかる費用は?

売却活動を行い、無事に買主が見つかった場合、次に不動産の売買契約を締結します。仲介の不動産会社より買主へ重要事項説明が行われ、その後売買契約を締結しますが、そのタイミングで発生する費用は次の通りです(投資用マンションを想定しています)

費用金額
仲介手数料半金売買価格の3%+6万円+消費税
売買契約書印紙代売買価格により課税
手付金領収書印紙代領収金額により課税

仲介手数料半金

多くの不動産業者が、売買契約時に仲介手数料の半金を支払うような媒介契約としています。その為、予定されている仲介手数料の半分はこのタイミングで用意するようにしましょう。ただ、どうしても用意が難しい場合は、売買契約時に買主から受け取る「手付金」より支払うという手もあります。

手付金はいわゆる解約手付という性質のものです。手付金を放棄する事で解約が出来るものとなるため、その手付金を受け取った後、売主から白紙解約を宣言した場合は、その手付金を返金し、同額を買主へ支払う必要があります。そのため、用意が難しい場合は手付金から支払うという想定の場合、契約の撤回は絶対に出来ないと考えなければなりません。

売買契約書印紙代

売買契約を締結する際、印紙税法により、売買金額に応じた印紙を貼付する必要があります。買主売主共に1通ずつ保管するという流れになるため、ご自身の分に貼付けする額を負担しなければなりません。

不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
契約金額軽減税率
1千万円を超え5千万円以下のもの1万円
5千万円を超え1億円以下のもの3万円
1億円を超え5億円以下のもの6万円
出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

令和9年3月31日までは上記の軽減税率後の印紙を張り付けします。大きな金額の売買であるため、印紙代も高額になります。

手付金領収書の印紙代

仲介手数料の項目でご説明した手付金ですが、売買代金に含まれる金銭であるため、この手付金受領後、領収書を発行する事になります。通常、不動産の個人間売買は非営利での売買のため、印紙代は不要(非課税)です。しかし、投資用・収益用といわれる不動産を売買する場合は、営利目的となるため、売主が発行する領収書には印紙代を貼らなければなりません。

多くの不動産会社は、売買を希望する購入者側に、売買価格の5%の手付金を契約時に持参するように求めます(金額によっては振込の場合もあります)3000万円の投資用物件の場合であれば、150万円を手付金として受け取ることになります。

領収書の印紙税額
記載金額税額
5万円以上100万円以下のもの200円
100万円を超え200万円以下のもの400円
200万円を超え300万円以下のもの600円
300万円を超え500万円以下のもの1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの2,000円
出典:国税庁「金銭又は有価証券の受取書、領収書」

売買契約時に売主が支払う費用は?

3000万円の投資用物件の売買契約を締結した場合の費用合計は次の通りです。

売買契約時の費用金額
仲介手数料半金(1,056,000円の半分)528,0000円
売買契約書印紙代10,000円
手付金領収書400円
合計538,400円

不動産の引渡し時にかかる費用は?

売買契約を無事に終えたのち、次に支払いが必要になるタイミングは不動産引渡し時(残代金決済時)です。

まだ物件のローンが残っている場合は、銀行保証会社の抵当権が設定されています。残代金を受け取って、その抵当権を抹消するのは「司法書士」に任せる事が一般的です。多くの場合は、買主の借り入れる金融機関によって司法書士事務所が指定になっている事が多く、売主が自身で司法書士を探す必要はありません。しかし買主の所有権移転登記と同時に抵当権抹消等を行うため、必ず司法書士に任せるようにしてください。

費用金額
仲介手数料残金売買契約時に支払った分の残り額
司法書士報酬などの費用借り入れが有る無し等で変動
残代金領収書、固定資産税等清算金領収書受け取り金額により課税

仲介手数料残金

売買契約時に払った半金の残り額を仲介した不動産会社へ支払います。なお、売却活動を行うにあたり、媒介契約とは別に、不動産会社へ特別な依頼※をしていた場合は、その報酬を支払う事となります(※特別な依頼例:売主の依頼により、遠方地での調査や空き屋の特別な調査等に要した実費費用等。予めその依頼について売主が承諾しているものに限ります)

司法書士報酬などの費用

司法書士費用は「抵当権抹消」、「抹消書類代理受領」、引越しをしていて住民票を移している場合や、婚姻などにより氏名が変わった場合など、売主の現状と不動産登記簿上とで相違がある場合は、所有権登記名義人表示変更登記が必要となり、その費用も加算されます。多くの場合は、3~4万円位の費用感となります。

各領収書の印紙代

物件引渡し時には、既に受け取った手付金額を引いた残代金と、固定資産税都市計画税・管理費等の清算金を受け取ります。その受取額に応じた領収書の印紙代が必要となります。

固定資産税都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税されます。多くは6月頃までには納付書が届き、売主が支払うものとなります。その為、物件引渡し日以降については買主が新しい「所有者」となるので、引渡し日以降の金額を日割り清算で売主が受け取ることになります。また、マンションの場合は、売主は管理費・修繕積立金を月末翌月分として支払っているケースが大半です。その支払い済みの管理費等についても、日割り計算を行って受け取ることになり、その領収書を売主が発行する事になります。

ただし、多くの場合は、オーナーチェンジ物件であるため、賃借人がいる状態で物件を引き渡します。そのため、賃料を既に受け取っている場合は、引渡し日以降は買主のものとなるため、実務では売主がわざわざ買主に対して、賃料を払う事なく、清算金と相殺するなどの対応をするケースが殆どです。

不動産の引渡し時に支払う費用は?

引渡の時期や、固定資産税額、管理費・修繕積立金額等によって金額は変わってきますが、下記の概算でおおよその金額感を掴んでおきましょう。もちろん、物件が売れて残りの残代金を受け取る訳ですから、各支払については問題なくお支払できるはずです。

3000万円の投資用物件の売買契約を締結した場合の概算
引渡し時(残代金決済)の費用金額
仲介手数料残金(1,056,000円の半分)528,0000円
司法書士報酬額40,000円
残代金領収書印紙代(2850万円)6,000円
固都税等清算金領収書印紙代(相殺無しとして)200円
合計574,200円

投資用不動産売買にかかる費用合計は?節約方法は?

これまで、売買契約時、物件引渡し時にかかる費用と概算金額を説明してきました。合計の金額は、約110万円程がかかる経費と分かりました。

では、こうした費用を少しでも削減できる節約方法はあるのでしょうか?

やはり少しでも節約できるとしたら、対価の報酬とは言えない費用、つまり印紙ではないでしょうか。

実は、印紙税は電子契約にて締結を行う事で、印紙が不要となり節税ができるのです。今回のサンプル物件価格は3,000万円である事から、2万弱の節約でしかありませんが、物件価格が大きくなれば、この印紙代も非常に大きくなっていきます。

印紙税法では、印紙税法基本通達第44条第1項に「課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し~」とあるため、紙などで作成されたものと解されています。また、過去の国会答弁においても、「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである」と発言されている為、法的裏付けがあるしっかりとした制度なのです。

出典:参議院「第162回国会(常会)答弁書」

印紙代節約のための電子契約とは?

現在、行政などでも脱判子が加速しており、押印を求められるケースが大分減ってきているのではないでしょうか。

この流れを受け、既に不動産売買でも電子契約にて締結する事が法律で可能となっており、印紙代節約だけではなく、押印の手間等の時間的削減にも繋がるとされています。

この電子契約は、仲介をお願いする不動産会社が導入済みである事が条件となります。この記事を執筆している2024年現在、電子契約を導入している会社は限りなく少ない状況ではありますが、不動産会社を選ぶポイントの1つの項目として検討してみてはいかがでしょうか。

電子契約導入済みのSAKURA投資へぜひ一度、お気軽にご相談ください。

SAKURA投資 無料査定へ

まとめ

不動産を売るためには、様々な費用がかかります。実際に売却のタイミングに慌てないように、しっかりと準備をする為にも、おおよそのかかる費用は頭に入れておいた方が安心ではないでしょうか。

「関連記事」